参加者:岡田、尾川、水口、ほか5名 風の強い日でした。 水口から 玉川上水の保全に尽くされた、共同代表の庄司徳治さんが亡くなられた。 数日前東京都が小平中央公園横の雑木林で柵に囲まれた小平328号線予定地内の樹木に色テープを貼ったとの情報を受け、東京都北多摩北部建設事務所に問い合わせた。北多摩北部建設事務所工事第一課によると、雑木林の道路予定地内の樹木約200本の樹木診断を行い、健全木、倒木の危険がある木、その中間、の3つに分類して、テープを貼ったとのこと。 青色 健全 25本 緑色 おおむね健全 86本 黄色 著しい被害が見られる 84本 赤色 不健全(虫食いや空洞があるなど)25本 総計220本 大石さんのお話 どんぐりのお話 マテバシイのどんぐり ◯マテバシイのどんぐりを送ってくれと北海道の森林インストラクター仲間に頼まれた。図鑑では、マテバシイやスダジイは北海道には分布していないとのこと。 ◯マテバシイのどんぐりは、お尻が凹んでいるので立つ(シリブカガシも)。ネイチャークラフト(コマやヤジロベイなど)によく使う。クヌギのどんぐりをクラフトに使う時は、冷凍か煮沸して加工しないと虫が出てくるが、マテバシイのどんぐりからはほとんど虫が出ない。 ◯マテバシイは渋抜きをしなくてもそのまま炒って食べられるし、クッキーにしたり、パンケーキの粉の増量など色々な材料として使用できる。クヌギやコナラの実も粉にして水でさらしたり、何回も煮こぼしすれば、食べられる。 ◯実に含まれるタンニンの多さで食べられるかどうか決まる。タンニンは水に溶けるので、水に溶けない状態にすれば食べられる(例:渋柿の渋抜き)。トチノキの実はタンニンが多いが実が大きいので、縄文時代から食糧として食べられている(長野県では、米が取れない時の非常食として植えさせたとのこと)。スダジイは生でも甘みを感じる。炒ったほうが美味しい。 ◯代々木公園にマテバシイの木がいっぱい植えてあり、たくさんドングリが拾える。 質問:今年はどんぐりが少ないからクマが里に降りてきているというが、なぜ少ないのか。 →天候や1、2年起きの生り年がある。剪定されると実がならなくなる。 マヤランを探す Cymbidium属(DNAによる分類体系(APG分類体系)では、シュンラン属(和名)) 和名は地域によって違う。万国共通の名前、学名をつける。Cymbidium macrorhizon シュンラン、カンランもCymbidium属 葉がない。 絶滅危惧II類。 小金井と小平では玉川上水の環境が全然違う。小金井では、名称小金井桜ということで、桜を植えるのに邪魔になる木は全部伐採され、マヤランもシュンランも出ない。 マヤランが出るのは自然度が高いということの指標にもなる。共生菌が繁殖できる環境、腐葉土がある。 観察した植物 ◯柵内に園芸種のハルシャギク、キバナコスモスが植えられていた(柵内は水道局の管理。きれいだからいいと思っているかもしれないが、違う見方をしてほしい。自然の状態にしておくべき。その土地で進化、変化している植物がある) ◯ヤブラン(花が終わっていた) ◯コナラ(実生がたくさん出ている) ◯ダンドボロギク ◯ヒヨドリジョウゴ(白い花、毒のある赤い実) ◯チヂミザサ(まだ実が熟していないようでそれほどベタベタしていなかった) ◯キンランの葉 ◯シュンランの葉(幅広く、筋があり、大きく育っていた) ◯クヌギのどんぐり(殻斗がイガイガのどんぐりは他にアベマキ、カシワなど) ◯ヤマコウバシ(実の多くが黒くなった) ◯ヌスビトハギ(葉は3枚の小葉にわかれる) ◯ミズヒキ ◯ケヤキ(タネと葉のついた小枝を落とし、タネを遠くに飛ばす) ◯シラヤマギク(花びらの数が決まっていない。下の葉はスペードのような形で幅広く、上の葉は細い。スペードの葉はシラヤマギクの特徴) ◯カワラタケの仲間 ◯ササバギンラン(葉) ◯コセンダングサの仲間 観察したいきもの ◯カラスアゲハ(尾状突起の有無を見る。カラスアゲハは短い尾状突起がある。ナガサキアゲハはない) ◯オオスズメバチ(この時期は注意) ◯タマムシの羽 ◯アキアカネ ◯ルリタテハ(ホトトギス、サルトリイバラ、シオデなどが食草) 【APGでは、ホトトギスはユリ科、サルトリイバラはサルトリイバラ科、シオデはシオデ科】 ◯ニイニイゼミぬけがら ◯クモ(日本に約1500種。今後増える可能性あり) ◯ジョロウグモ(横糸が抜けているところがある。完全な円形ではない(馬蹄形)。前後にも網があり、衝撃を減らしている。目が悪いので居候のオスグモはそっと歩かないとメスに食べられてしまう) 雑木林の道路予定地内の樹木の移植について 樹木は外側を一周切られると死んでしまう。サワラが多いがサワラはバンドで釣り上げる時に皮が剥けやすい。 こんなに大きな木の移植は難しい。混んでいるところは根を巻くこともできない。